「SiNQ感想文コンテスト」投稿：「感謝」

この度｢SINQ感想文コンテスト｣にエントリーさせていただいたことに一番驚いているのは私自身です。
なぜなら子供の頃から作文、感想文は大の苦手でまともに書き上げた記憶がありません。
夏休み、冬休みの宿題では読者感想文が恒例でしたが必ず後回しにして最終日に慌てて書いていたことは今でも鮮明に覚えています。

大人になって本を読んだり人の意見などに対して頭の中では様々な感情や思いが浮かびますが、それらを文章に表す機会はほとんど無いと思います。
そんな中今回の｢SINQ感想文コンテスト｣の文字が私の目に留まった瞬間、迷いなく
｢チャレンジしてみよう!｣と思い立ち今こうして参加させていただいています。

そんな私がまず初めにしたことはインターネットなどで検索するのではなく、敢えて息子の国語辞典で｢感想文｣という言葉を調べてみました。辞典には、本を読んだり絵を見たり音楽を聴いたりして感じたことを書いた文章とありました。私たちが日常で何気なく使っている言葉一つ一つの意味を改めて考えながら使用している人はほとんどいないのではないかと思います。もちろん私もその一人です。
それは｢あたりまえ｣という感情が日々の大半を占めていることで｢感謝｣という感情が薄らいでしまっているからではないでしょうか

TAKAHIROさんの｢感謝｣というテーマの内容はただただ共感の連続でした。日々心がけていることが改めて答え合わせできたようなそんな清々しい気持ちになりました。

私には中学一年生の息子がいます。息子は小学三年生の三学期以降学校に通っていません。当時(息子が小学三年生)息子の不登校に対して主人や両親は賛成ではありませんでした。私も内心、不安でいっぱいでした。毎日のように担任の先生から連絡があり｢不登校の理由がこれと言って無いのならとりあえず登校させてください｣と言われました。始めは何となく聞き流していた先生からの言葉を一つ一つ振り返ってみると、どれも｢要するに登校することが無難です｣というメッセージでした。
確かに世の中の大半の子供たちは小学校、中学校は義務教育として｢あたりまえ｣に通学しています。この｢あたりまえ｣という言葉は言い換えると｢無難｣だと言えることに気付きました。無難とは特別に非難されるような点がないことです。
このあたりまえなことが難しい。
息子は人よりも有ることが難しいだけなのだと理解できた私は迷いなく息子の不登校を受け入れることができました。
有ることが難しいとは有難、有難い(ありがたい)ということです。

息子の言動を見ていると、もしも｢感謝｣という場所があるとしたら、そこから生まれてきたのかと思うくらい１日に何十回、何百回も
｢ありがとう｣と感謝を言葉に出して表現します。｢ありがとう｣の反意語は｢あたりまえ｣ですが息子にとっては｢ありがとう｣＝｢あたりまえ｣なのかもしれません。

現代、無難という場所で過ごすことがあたりまえになり、苦しい思いを抱えて生きている方が多いのではないかと私は日々感じています。そんな方々がほんの少し視点、思考を変えてみることで心身ともに楽になれるとしたら……
とても素晴らしいことではないでしょうか。

｢ありがとう｣と感謝の意を口に出すことは案外照れくさいものです。そんな方はまずTAKAHIROさんが記してくださっている自然界のものに対しての感謝から始めてみてはどうでしょう…
空気に対して…呼吸ができることへのありがとう…
水に対して…いつでもあたりまえに飲めることにありがとう…
あらゆるものへの感謝が癖付いてくると毎日が｢ありがとう｣｢ありがとう｣の連続でとても忙しくなります。これはとてもハッピーなことですね。

今はまだ通過点にすぎませんが、今日まで何も口出しせず信じて見守ってくれている家族、周囲の温かい方々には心から感謝しています。

｢ありがとう｣(感謝)は日々に奇跡をもたらしてくれます。
無難な空間では有り得なかったことが日常に起こります。
もしも、息子が普通に学校に通っていたとしたら…
今私はこうしてSINQ感想文コンテストに参加出来ていなかったと思います。
私にとって息子は日々気付きを与えてくれるかけがえのない存在です。
｢感謝｣という言葉ではとても足りないくらいの｢命の恩人｣でもあります。
生まれてきてくれてありがとう…

終わりに…
今回のコンテストにエントリーさせていただき心より感謝致します。と同時にこれから関わる皆様にとって｢SINQ｣が｢ありがとう｣で溢れる場所となりますように……

ありがとうございました…感謝…

#感想文コンテスト